以下のワクチンは常時在庫しています。

hib(ヒブワクチン)、小児肺炎球菌(プレベナー)予約不要です。

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、みずぼうそう(水痘)予約不要です。

ロタウイルスワクチンのロタリックス、ロタテック予約不要です。

B型肝炎予約不要です。

※子宮頸癌ワクチンのサーバリックス、ガーダシル予約が必要です。

 

※接種が集中した場合に一時的に在庫切れとなる場合がございますので、念のために御来院の前にお電話下さい。

 

・hibワクチン (インフルエンザB型菌)

冬場に流行するインフルエンザウイルスとは異なります。重篤な細菌性髄膜炎を引き起こす事があります。不活化ワクチンです。

<接種時期>

①生後2カ月~7カ月未満で開始→4~8週間隔で3回接種。1歳過ぎに追加接種
②生後7カ月~1歳未満で開始→4~8週間隔で2回接種。1歳過ぎに追加接種
③1歳以後に開始→1回接種で免疫を得ます

 

※2か月になったら早期に接種が望ましいです。

※追加接種の時期は初回接種終了から7~13か月です、

 

推奨ー生後2カ月になったら1回目。4週間隔で合計3回接種。

     1歳になったら追加接種を1回。

     0歳児は接種ワクチンが多いので同時接種も必要になります。

     詳しくは「0歳児のワクチン接種計画」をご覧ください。

 

・肺炎球菌ワクチン(小児用・成人用)

    小児用肺炎球菌ワクチン:プレベナー

 細菌性髄膜炎や敗血症、中耳炎を予防します。肺炎球菌は種類が多くすべてを網羅しているわけではありませんが乳児は肺炎球菌に対する免疫がほとんどないので重症化する事があります。

細菌性髄膜炎患者のおよそ半数は0歳児。80%が2歳未満です。 

<接種時期>

生後2カ月~7カ月未満で開始→1~2か月間隔で3回接種し1歳   過ぎに追加接種
生後7カ月~12カ月未満で開始→1~2か月間隔で2回接種し1歳過ぎに追加接種

※追加接種は初回接種終了後60日以上あける。

 (原則として1歳以上)

※ 1歳になってから接種を開始→追加接種のみを行う。

 

推奨ー生後2カ月になったら1回目。4週間隔で合計3回接種。

     1歳になったら追加接種 

      0歳児は接種ワクチンが多いので同時接種も必要になります。

     詳しくは「0歳児のワクチン接種計画」をご覧ください。

  

 

 

注)成人用肺炎球菌ワクチンはニューモバックスNPで、小児用とは別です。

 一度接種すると次に接種する際に接種部位に発赤、腫脹、腕の痛みなど副作用があり、2年以内に再接種すると強い反応を示すので要注意です。

 

 

  

・子宮頸癌ワクチン

ヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンです。

ガーダシルとサーバリックスの2種類がありますが、当院では希望によりどちらの接種も行っています。

どちらのワクチンも常時在庫しています。。

よくどちらがいいのか?と聞かれますがいまだに結論は出ていません。

HPVは150種類以上有ります。

注意していただきたいのは単純に価数の高いワクチンが良いワクチンとは限りません。 

ただし4価のガーダシルは尖圭(せんけい)コンジローマを予防します。治療が難しい疾患なのでこのメリットは大きいと思います。

一方のサーバリックスはそのアジュバントの功績もあってか交差免疫が期待できてHPV16,18以外にも癌の原因となりうるハイリスクHPVへの効果が期待できます。 簡単に言うと幅広い癌の原因になるHPVに予防効果がありそうです。(現時点で断言できませんが)

また短期的な抗体価ではサーバリックスがガーダシルを上回る事は証明されています。

このアジュバントAS04については諸説飛び交っていますが現時点で明らかな副作用の報告はありません。(接種直後の妊娠に限って流産のリスクが高まるという報告はありましたが原因特定には至っていません)

 

ちなみに世界の7割の国では男性もHPVワクチン接種が当たり前です。

 

 

 

<接種時期>

性交渉開始前の10代が推奨時期。このワクチンは筋肉注射となります。

サーバリックスでは初回接種後、約1カ月後と約6カ月後に追加接種が必要です。

ガージタルは初回接種後、約2カ月後と約6カ月後に追加接種が必要です。

 

推奨ー11~14歳に上記の間隔で3回接種。

    ワクチンで予防できない頸癌もあるので20歳になったら健診を。

・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

生ワクチンです。世界的には定期接種で2回おこなっていますが、日本では任意接種でしかも1回しか接種されない事がほとんどです。髄膜炎や脳炎、難聴、精巣炎、卵巣炎等多くの全身合併症を引き起こします。

2回接種を強く推奨します。

ワクチンの副反応として2~3週後に発熱したり耳下腺が腫れる事があります。

また約2000人に1人の割合で無菌性髄膜炎にかかる事があります。自然感染の場合はそれより高率で髄膜炎になります。

ワクチンによる無菌性髄膜炎は重症化は少なく、1歳早期に接種した場合には頻度も下がります。

 

 

<接種時期>

1歳を過ぎてからMRワクチンの次に接種して下さい。

もしくはMRワクチンと同時接種も可能です。

3~4年後に2回目を接種するとしっかりと免疫がつきます。

 

推奨ー1歳になって定期接種のMRが終わったらできるだけ早く。

     MRや水ぼうそうワクチンと同時接種も可能。

 

名古屋市在住の1歳〜就学前の方は費用助成がありますので自己負担は3,000円で接種していただけます。

 

 

・みずぼうそう(水痘)

生ワクチンです。脳炎や肺炎等の合併症があり、国内でも年間3,000人ほどが重症化していると言われています。 毎年10人以上の死亡者もでています。

2回接種を強く推奨します。

 

<接種時期>

1回目ー1歳になったらなるべく早く。

2回目ー1回目接種の3ヶ月後に2回目を接種するとしっかりと免疫がつきます。

 

推奨ー1歳になって定期接種のMRが終わったらできるだけ早く。

     MRやおたふくかぜワクチンと同時接種も可能。

 

 平成26年10月より定期ワクチンになりました。

 

 

・ロタウイルス

名古屋市在住の方は10月1日より一部助成がはじまりました。

自己負担額はロタリックスは1回6,400円(計12,800円)

ロタテックは1回4,100円(計12,300円)となります。

 

 

ウイルス性の胃腸炎ではノロウイルスが有名ですが、子供ではロタウイルス胃腸炎がもっとも重症になりやすく脳炎や腎不全等の合併症のリスクもあります。

感染力が強く保育園などで集団感染の原因になる事もあります。

ロタウイルスは種類がとても多く繰り返し感染する事もあります。

 

・重症化しやすいのは最初の1~2回の感染です。

・ワクチンで重症化を90%防ぐことができます。

・昔、腸重積の副作用で発売中止になったロタウイルスワクチンとは別物で現在のワクチンはとても安全性の高いワクチンで、WHOは最重要ワクチンの1つに指定したので今後は定期接種ワクチンに組み入れられていくかもしれません。

 

1価のロタリックス(2回接種)と5価のロタテック(3回接種)があります。

いずれも飲む生ワクチンで生後2カ月頃から開始して、5か月半~7か月半の間に終了して下さい。

 

推奨ー他のワクチンと同時に生後2カ月で1回目。

     4週間隔で2回目。

     ロタテックは5カ月半頃に他のワクチンと一緒に3回目

      0歳児は接種ワクチンが多いので同時接種も必要になります。

     詳しくは「0歳児のワクチン接種計画」をご覧ください。

 

ロタリックス:生後20週までに1回目、24週までに2回目を接種

ロタテック:生後24週までに1回目、4週間以上の間隔をあけて合計3回経口摂取

 

2回目の接種:ロタリックスは24週、ロタテックは28週を過ぎると接種できません。

3回目の接種:ロタテックは32週をすぎると接種できません。

 

 

ロタウイルスワクチンも2種類あってどちらにするか悩むところですが、結論から書けばどちらが優れているといった統計的データはまだありません。

どちらも非常にすぐれたワクチンで重症化を防ぐ事は実証されています。

子宮頸癌ワクチンでも同じ事が言えますが、価数が高いほどすぐれているとは限りません。1価でも交差免疫で似ている他の型のウイルスにも効果があります。 現在開発中の他疾患用の某ワクチンも価数を上げる事にこだわった為に肝心の抗体価を上げる事ができずに開発が頓挫しています。

ロタウイルスは100種類以上あります。このうち感染の頻度が高いのは5種類です。

ロタリックスは最も感染頻度の高いG1P[8]というヒトロタウイルスを弱毒化した物です。

一方ロタテックはウシロタウィルスと遺伝子組み換えで製造されたものです。なので投与ウイルス量は多く接種回数も3回です。

 

とはいってもヒト由来だから良くてウシ由来は良くないという訳でもありません。

どちらがワクチンとして優れているかは中長期的な追跡調査が必要です。

 

 

 

・B型肝炎

B型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。ただし子供の場合は感染経路がよく分からない原因不明の感染も多くみられます。

 

垂直感染: 母子感染

 水平感染: 性行為感染・輸血・臓器移植・刺青・針刺し事故等

 

母子感染の場合は高率で慢性化します。将来的に肝硬変や肝臓癌を引き起こします。

原因不明の感染も多いことからWHOでは全世界で定期接種とするように勧告を出しています。

B型肝炎の予防接種は日本では見送られることも多いですが、B型肝炎はワクチンで防げる感染症です。医療従事者のほとんどが接種しているワクチンでもあります。

 

接種はどの年齢でも可能ですが、できれば早期接種をおすすめします。

1回目の4~8週後に2回目、その後半年~1年後に3回目を接種します。

B型肝炎は劇症肝炎化する確率も高いので、医療従事者は定期的に抗体化をチェックして適宜追加接種しています。

 

 

推奨ー生後2カ月でヒブ、ロタ、肺炎球菌ワクチン等と同時接種。

     生後3カ月に2回目接種。 6か月~12ヶ月に3回目

     0歳児は接種ワクチンが多いので同時接種も必要になります。

     詳しくは「0歳児のワクチン接種計画」をご覧ください。